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飲食店の「廃業率」は年4.7%|検索結果の「3年で7割」は本当か

「飲食店は1年で3割、3年で7割が潰れる」という数字に、公的統計の裏づけはありません。

公表されている廃業率は年間4.7%、開業から5年で14.7%です。

ただし個人店の多くは母数に入っておらず、全数調査では年7.3%、5年で約37%が廃業しています。

倒産は2025年に過去最多を更新しました。

この記事でわかる5つのこと

  • どのくらい潰れるのか:公表値は年4.7%、全数では年7.3%
  • 「3年で7割」は本当か:出どころは閉店した店の内訳
  • 今、増えているのか:倒産は過去最多で、飲食店リストは1年で6件に1件ずれる
  • なぜ潰れやすいのか:コストが重く、値上げもできない
  • どんな店が潰れやすいのか:9割は資本金1,000万円未満
目次

飲食店の廃業率は?数え方で3つの数字がある

飲食店の廃業率は?数え方で3つの数字がある:雇用保険の事業所で年4.7%・公庫の融資先で5年14.7%・全数で年7.3%

飲食店の廃業率は、誰を数えたかで3つの数字に分かれます。

公表されているのは雇用保険の事業所を母数にした年4.7%と、公庫の融資先を追った開業5年で14.7%で、どちらも全業種で最も高い水準です。

個人店まで含む全数調査では、年7.3%・5年で約37%です。

雇用保険の事業所:年間廃業率は4.7%

雇用保険の適用事業所を母数にした「宿泊業,飲食サービス業」の年間廃業率は4.7%で、17業種のうち最も高い水準です。

雇用保険の適用事業所とは、従業員を雇って雇用保険に入っている事業所のことです。

週20時間以上働く人を1人でも雇えば加入が義務づけられるため、店主ひとりや家族だけで営む店は数に入りません。

業種年間廃業率
宿泊業,飲食サービス業4.7%
生活関連サービス業,娯楽業4.4%
小売業3.7%
情報通信業3.6%
全産業3.1%
製造業2.6%
複合サービス事業1.0%

全産業の3.1%と比べると1.5倍にあたります。

飲食店が高くなるのは、家賃・人件費・材料費といったランニングコストが重く、売上が少し落ちるだけで赤字になりやすいためです。

ホテル・旅館と飲食店をまとめた大分類の値です(2021年度)。

業種別の値が公表されている最新の年度は2021年度で、全産業だけなら2024年度の3.7%まで公表されています。

公庫の融資先:開業5年の廃業率は14.7%

日本政策金融公庫が融資先の2016年開業の企業を5年間追った調査では、「飲食店、宿泊業」の廃業率は14.7%で、12業種の中で最も高い結果でした。

業種5年廃業率回答数
飲食店、宿泊業14.7%563
小売業13.2%380
不動産業12.1%107
教育、学習支援業11.8%102
全体8.9%3,517
卸売業6.7%165
運輸業6.6%106
建設業5.2%343

全体の8.9%の1.7倍で、生存率にすると85.3%です。

同じ調査の過去分では24.1%(2001年開業)から下がってきており、開業した年の景気と支援策で10ポイント近く動きます。

母数は開業年末の調査に回答した563社で、公庫から借りていない店や、開業直後に廃業した企業は含まれません。

全数調査:5年で約37%、年7.3%

個人店まで含めて数えると、飲食店の廃業率は5年で36.7%、年平均7.3%です。

雇用保険の事業所だけを数えた4.7%の1.5倍、全産業の5.5%の1.3倍にあたります。

宿泊業,飲食サービス業2016年の事業所うち2021年に廃業5年廃業率
全体70万3,21725万8,14636.7%
個人経営42万3,24114万9,38835.3%
法人27万9,26510万8,46438.8%
うちチェーンの支店18万2,5798万1,33344.5%
参考:全産業537万5,337147万28427.4%

飲食店の企業等の77.9%は個人経営で、従業員を雇っていない店は雇用保険の適用事業所にならず、負債1,000万円未満で閉めれば倒産統計にも入りません。

個人店まで数えている公的統計は経済センサスだけで、2016年調査にあった事業所を2021年調査と突き合わせた集計があります。

個人店の廃業率は法人より低く、最も入れ替わりが速いのはチェーンの支店です。

個人店が特に潰れやすいわけではなく、公表値の母数に入っていないだけです。

年平均は5年間の廃業数を5で割って2016年の事業所数で割った値で、中小企業白書と同じ計算法です。

センサスの廃業には、他の場所への移転や、個人から法人への変更も含まれます。

(出典:2023年版中小企業白書 第2-2-55図「業種別の開廃業率(2021年度)」/中小企業庁 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2023/chusho/b2_2_2.html)

(出典:2026年版中小企業白書 第1-1-38図「開業率・廃業率の推移」/中小企業庁 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2026/chusho/b1_1_7.html)

(出典:井上考二「2016年に開業した企業の5年間の動向 ―『新規開業パネル調査(第4コーホート)』結果から―」日本政策金融公庫論集 第54号(2022年2月)表-2・図-1 https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun2202_01.pdf)

(出典:令和3年経済センサス‐活動調査 産業横断的集計 結果の概要 表Ⅰ-2/総務省・経済産業省 https://www.stat.go.jp/data/e-census/2021/kekka/pdf/k_outline.pdf)

(出典:令和3年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業横断的集計 第28表「産業(大分類)、経営組織(4区分)、存続・新設・廃業別民営事業所数及び男女別従業者数」/総務省・経済産業省 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200553&tstat=000001145590&cycle=0&tclass=000001134122)

(出典:2024年版中小企業白書 付属統計資料 11表「業種別の開廃業率の推移(事業所ベース、年平均)」/中小企業庁 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2024/PDF/chusho/07Hakusyo_fuzokutoukei_web.pdf)

飲食店の廃業率「3年で7割」は本当か

飲食店の廃業率「3年で7割」は本当か:俗説に出典はなく、公的調査では開業5年で14.7%

この数字を裏づける公的統計や調査会社のレポートは、確認できませんでした

近い数字は民間調査にありますが、それは「閉めた店の内訳」で、開業した店の閉店率ではありません。

個人店まで含めた全数調査でも5年で約37%で、「3年で7割」には届きません。

「3年で7割」を示す統計はない

2026年9月時点で、中小企業白書(2023〜2026年版)、日本政策金融公庫の新規開業パネル調査、東京商工リサーチと帝国データバンクの飲食業レポートを確認しましたが、「1年で3割」「3年で7割」「10年で9割」に当たる数字はどこにもありません。

この数字を載せているページにも、出典・母数・調査年は示されていません。

公的統計で分かる飲食店の廃業率は、年間4.7%・開業5年で14.7%と、全数調査の年7.3%までです。

出どころは「閉店した店の内訳」

出どころに最も近いのは、閉店した店の6割超が営業3年以内だったという飲食店ドットコムの調査で、これは閉店した店を母数にした内訳です。

業態閉店した店のうち営業3年以内
ラーメン62.7%
カフェ61.8%
テイクアウト60.3%
居酒屋・ダイニングバー46.3%
フランス料理40.3%
和食35.9%
寿司32.4%

シンクロ・フードが、居抜き譲渡に出た閉店店舗4,121件(2016〜2024年)の営業年数を業態別に集計したもので、ラーメンとカフェのほか、お弁当・惣菜・デリ、そば・うどんも6割を超えています。

2026年1月の最新版(4,596件・2016〜2025年)では、1年未満で閉店した割合がカフェ30.7%、ラーメン30.0%、そば・うどん30.0%でした。

本記事では、「1年で3割」「3年で7割」はこの「閉めた店のうちの割合」を「開業した店のうち閉めた割合」と取り違えて広まったものと考えます。

「閉店の6割が3年以内」を読むときの3つの注意

  • 母数は閉店した店:100軒が開業して10軒が閉め、うち6軒が3年以内なら「閉店の6割が3年以内」。開業した店の閉店率は6%
  • 対象が偏る:居抜き譲渡に出す店は個人経営の小さな店に偏り、内装を残さず閉める店や大手チェーンは含まれない
  • 代わりの統計がない:「開業した店の3年以内の閉店率」を店舗単位・業態別に示す公的統計は公表されていない

(出典:閉店しやすい業態は?飲食店ドットコムが業態別閉店率を発表(2025年1月21日)/株式会社シンクロ・フード https://www.synchro-food.co.jp/news/press/6374)

(出典:開店1年未満で閉店しやすい業態は?飲食店ドットコムが業態別閉店年数を発表(2026年1月28日)/株式会社シンクロ・フード https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000708.000001049.html)

廃業・倒産・閉店は、意味も数え方も違う

廃業・倒産・閉店は、意味も数え方も違う:廃業は事業所や企業、倒産は企業、閉店は店舗を数える

「廃業」「倒産」「閉店」は別の出来事で、数える単位も、載っている統計も違います

廃業は事業所や企業、倒産は企業、閉店は店舗が単位です。

廃業は3つの中で最も範囲が広く、全業種では2025年の休廃業・解散が67,949件、倒産が10,300件で、事業をやめる場面の大半は倒産ではありません。

倒産は負債1,000万円以上の法的整理などに限られ、同じ年でも調査会社によって数えている範囲が違います。

調査会社対象と定義
東京商工リサーチ日本標準産業分類の「飲食業」(食堂・レストラン、専門料理店、酒場・ビヤホール、喫茶店、持ち帰り・宅配飲食サービス業など)。負債1,000万円以上
帝国データバンク飲食店を経営する事業者。負債1,000万円以上の法的整理

持ち帰り・宅配を含むかどうかと、法的整理に限るかどうかで件数が変わるため、倒産件数を引くときは調査会社名と年を添えます。

閉店は店舗単位で、店を1つ閉めても企業は残るため、店舗の閉店率を企業の廃業率として読むことはできません。

(出典:2026年版中小企業白書 第1-1-39図・第1-1-41図/中小企業庁 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2026/chusho/b1_1_7.html)

飲食店の廃業・倒産は増えている

飲食店の廃業・倒産は増えている:倒産は3年連続で過去最多・店の数は減り入れ替わりは速い

倒産は3年連続で増え、2025年に過去最多を更新しました。

店の数は減っていますが入れ替わりは速く、廃業率の高さは縮小ではなく新陳代謝の速さを示しています。

倒産件数は2025年に過去最多

2025年の飲食業の倒産は、東京商工リサーチと帝国データバンクのどちらの集計でも過去最多でした。

調査会社2025年の倒産件数前年比
東京商工リサーチ1,002件1.0%増
帝国データバンク900件0.7%増

東京商工リサーチの件数は1996年以降の30年間で初めて1,000件を超え、帝国データバンクの件数は3年連続の増加です。

2026年に入っても増加は続き、1〜5月の倒産は411件で、同じ期間としては過去最多です。

同じ年で102件の差があるのは、数えている範囲が違うからです。

店の数は減り、入れ替わりは速い

「宿泊業,飲食サービス業」の事業所は5年で14.0%減りましたが、その間に25万8,146の店が閉店・移転し、15万3,987の店が新しく開いています。

2016年から2021年の5年間事業所数
2016年にあった店70万3,217
うち閉店・移転した店25万8,146(36.7%)
新しく開いた店15万3,987(21.9%)
2021年にある店59万9,058

全国では1日あたり約140軒が閉店・移転している計算で、手元の店舗リストはその分だけ毎日古くなります。

古くなる速さは、リストに含まれる店の条件で変わります。

リストに含まれる店の条件1年で閉業する確率
全国平均7.3%
東京都の店7.9%
酒場・ビヤホール(居酒屋)7.9%
バー・ナイトクラブ8.7%
チェーン店の支店8.9%
持ち帰り・配達9.3%
開業3年以内の店2〜4割

東京都内で、個人の居酒屋・バーが半分、チェーンの支店が3割、開業3年以内の店が2割のリストなら、1年で約12%が閉業し、5%分の新店が漏れます。

1万件なら約1,700件、6件に1件が実態と違うリストです。

割合は経済センサスの5年廃業率を1年あたりに換算した値で、開業3年以内の店だけは閉店した店の営業年数の民間調査からの推計です。

STREAMの飲食店データは独自調査で日次更新し、閉店した店の除外と新しい店の追加を毎月納品しています。

保有リストとの突合の進め方は無料で相談できます。

飲食店リストの鮮度維持を検討中の方へ

(出典:2025年「飲食業」倒産 初の1,000件超 食材費・人件費上昇が小規模店に大打撃/東京商工リサーチ https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202301_1527.html)

(出典:「飲食店」の倒産動向(2025年)/帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/report/industry/20260113-insyokuten2025/)

(出典:2026年1-5月の「飲食業」倒産 過去最多の411件/東京商工リサーチ https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202931_1527.html)

(出典:令和3年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業横断的集計 第28表「産業(大分類)、経営組織(4区分)、存続・新設・廃業別民営事業所数及び男女別従業者数」・第25-1表「産業(小分類)、経営組織(4区分)、単独・本所・支所、存続・新設・廃業別民営事業所数及び男女別従業者数」/総務省・経済産業省 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200553&tstat=000001145590&cycle=0&tclass=000001134122)

(出典:閉店しやすい業態は?飲食店ドットコムが業態別閉店率を発表(2025年1月21日)/株式会社シンクロ・フード https://www.synchro-food.co.jp/news/press/6374)

飲食店の廃業率が高い理由

飲食店の廃業率が高い理由:ランニングコストが高く利益が残らない・コストが上がっても値上げできない

飲食店の廃業率が高い理由は、ランニングコストが高く利益が残らないことと、コストが上がっても値上げできないことの2つです。

倒産の原因で最も多いのは販売不振の821件(81.9%)ですが、増えているのは物価高と人手不足が引き金の倒産で、どちらも前年の2倍以上です。

倒産の要因2025年の件数前年比
販売不振821件4.9%減
物価高136件126.6%増
既往のシワ寄せ57件58.3%増
人手不足55件161.9%増
事業上の失敗45件21.6%増

物価高と人手不足は、販売不振などの原因分類とは別に集計した件数です。

ランニングコストが高く、利益がほとんど残らない

一般飲食店の営業利益率はどの規模でも平均が赤字で、売上のほぼ全部がランニングコストに消えています。

一般飲食店の費用構造売上に対する割合
材料費約35%
人件費31〜35%
家賃・光熱費などの諸経費29〜35%
売上高営業利益率(平均)−4.6〜−0.2%

日本政策金融公庫が融資先の小企業を集計した経営指標で、営業利益率の平均は従業者1〜4人の店で−4.6%、21〜49人の店でも−0.2%です。

材料費の割合は小売や卸より低く、重いのは店を開けているだけで毎月出ていく人件費と諸経費です。

コストが上がっても値上げできない

飲食店が上がったコストのうち価格に乗せられたのは32.3%で、全業種平均の39.4%を下回ります(帝国データバンク)。

その結果、2026年1〜5月には人件費高騰による倒産が20件と、前年同期の6.6倍に増えています。

コンビニコーヒーや大手チェーンとの競合があるため、値上げがそのまま客離れにつながる業態が多いことも背景にあります。

(出典:小企業の経営指標調査(飲食店,宿泊業・従業者規模別経営指標)/日本政策金融公庫 https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/sme_findings2_08c.pdf)

(出典:2025年「飲食業」倒産 初の1,000件超/東京商工リサーチ https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202301_1527.html、2026年1-5月の「飲食業」倒産/東京商工リサーチ https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202931_1527.html、「飲食店」の倒産動向(2025年)/帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/report/industry/20260113-insyokuten2025/)

潰れやすい飲食店の特徴・業態

潰れやすい飲食店の特徴・業態:小規模店が倒産の9割・居酒屋が最多・中華と日本料理店は過去最多・カフェは4割が赤字

特徴は「小規模」で、倒産の9割近くは資本金1,000万円未満の店です。

業態別では居酒屋とバーの廃業率が高く、倒産が増えているのは中華・日本料理店とカフェです。

特徴:資本金1,000万円未満の小規模店

2025年に倒産した飲食業のうち、資本金1,000万円未満は886件で88.4%を占めます。

負債1,000万円以上5,000万円未満が746件(74.4%)、形態は破産が959件(95.7%)でした。

帝国データバンクの集計でも、負債5,000万円未満の小規模倒産が696件で77.3%です。

再建型の倒産は25件(2.4%)しかなく、飲食業の倒産はほぼ「店をたたむ」結果になっています。

業態:居酒屋・バーは倒産も廃業率も高い

居酒屋を中心とする酒場・ビヤホールとバーは、倒産件数でも5年廃業率でも高い業態です。

2025年の倒産は酒場・ビヤホールが204件で最も多く、中華・東洋料理店179件と日本料理店97件は過去最多でした。

業態2024年上半期2025年上半期
酒場・ビヤホール(居酒屋)112件105件
中華・東洋料理店78件88件
西洋料理店58件45件
日本料理店30件46件
喫茶店32件34件

ラーメン店の倒産は2025年に59件で、前年の79件から25.3%減りました。

倒産件数は業態ごとの店の数に左右されるため、件数の多さをそのまま「潰れやすさ」とは読めません。

業態別の廃業率は経済センサスで分かり、5年で最も高いのはバー・ナイトクラブの43.3%、次いで酒場・ビヤホールの39.7%です。

業態2016年の事業所5年廃業率
持ち帰り・配達飲食サービス業5万6,63446.5%
バー,キャバレー,ナイトクラブ9万7,55743.3%
酒場,ビヤホール(居酒屋)12万6,64039.7%
食堂,レストラン4万9,75737.8%
喫茶店6万7,49334.9%
専門料理店(日本料理・中華・ラーメンなど)17万3,21534.0%
そば・うどん店2万9,53831.5%
すし店2万2,58526.8%

すし店は26.8%で最も低く、同じ飲食店でも業態で20ポイント近い差があります。

業態:カフェは倒産が増加、4割が赤字

喫茶店の倒産は2024年度(2025年2月まで)に66件で、前年度の1.5倍に増えました。

2023年度の損益では4割が赤字、減益を含めた業績悪化は7割にのぼります。

背景にはコーヒー豆の値上がりがあり、アラビカ種の国内価格は2024年度平均で1kg 900円を超え、前年度の1.4倍、2020年度の2.5倍です。

2026年1〜5月の倒産は24件で、2年ぶりに前年同期を下回りました。

(出典:2025年「飲食業」倒産 初の1,000件超/東京商工リサーチ https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202301_1527.html)

(出典:「飲食店」の倒産動向(2025年)/帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/report/industry/20260113-insyokuten2025/、「飲食店」の倒産動向(2025年上半期)/帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/report/industry/20250708_restaurant25y/)

(出典:「ラーメン店」の倒産動向(2025年)/帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/report/industry/20260110-ramen25y/)

(出典:令和3年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業横断的集計 第25-1表「産業(小分類)、経営組織(4区分)、単独・本所・支所、存続・新設・廃業別民営事業所数及び男女別従業者数」/総務省・経済産業省 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200553&tstat=000001145590&cycle=0&tclass=000001134122)

(出典:「喫茶店」の倒産動向(2024年度)/帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/report/industry/20250305_coffee/、「喫茶店」の倒産動向(2026年1-5月)/帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/report/industry/20260605-coffee26y1-5/)

飲食店の廃業率に関するよくある質問

飲食店の廃業率に関するよくある質問:10年続く確率は公表なし・「1年で3割」は裏づけなし・調べる資料は中小企業白書

飲食店が10年続く確率は?

公的統計で業種別の10年生存率を示すものはありません

確認できる最長は、開業5年時点の生存率85.3%(飲食店、宿泊業・2016年開業)です。

年間廃業率4.7%を10年分積み上げる計算も使えません。

年間廃業率は創業年を問わない全事業所の断面で、同じ集団を追った数字ではないからです。

飲食店は1年で潰れる人が多い?

「1年で3割」を裏づける調査は確認できていません

この数字は、閉店した店のうち営業1年未満だった割合(カフェ30.7%など)が、開業した店の閉店率として広まったものと考えられます。

2016年に開業した企業全体では、開業1年目の年末までに廃業したのは2.2%で、飲食店だけの1年目の数字は公表されていません。

この調査は開業年末の第1回調査に回答した企業が母数で、開業直後に閉めた店は含まれない点に注意が必要です。

飲食店の廃業率は中小企業庁のどの資料で見られる?

中小企業白書の「業種別の開廃業率」の図です。

業種別の値が載っている最新は2023年版(第2-2-55図・2021年度)で、「宿泊業,飲食サービス業」の廃業率4.7%・開業率11.2%が読み取れます。

図のデータはExcelで公開されています。

2024年版以降の白書には全産業の推移だけが載っています。

【まとめ】飲食店の廃業率は公表値で年4.7%、個人店を含めると年7.3%

公的統計で確認できる飲食店の廃業率は、年間4.7%(宿泊業,飲食サービス業・2021年度)と、開業5年で14.7%(飲食店、宿泊業・2016年開業)の2つで、どちらも個人店を含みません。

この記事で確認した6つの数字

  • 2021年度の年間廃業率は4.7%で、17業種の最高
  • 2016年開業の563社を5年追った調査で、開業5年の廃業率は14.7%
  • 個人店まで含む全数調査では、年7.3%・5年で約37%が廃業
  • 2025年の倒産は東京商工リサーチで1,002件、帝国データバンクで900件。ともに過去最多
  • 倒産理由の81.9%は販売不振。一般飲食店の営業利益率は平均で赤字
  • 閉店した店のうち営業3年以内は、ラーメン62.7%・カフェ61.8%。閉店した店の内訳で、開業した店の閉店率ではない

「1年で3割、3年で7割、10年で9割」を示す公的統計はなく、出どころに近い調査は「閉店した店の内訳」を示したものでした。

廃業率の数字を使うときに確認する3つのこと

  • 何を母数にしているか:雇用保険の適用事業所か、融資先か、閉店した店か、全数か
  • どの期間か:1年度の断面か、開業から5年の累積か
  • 店舗か企業か:店を1つ閉めても企業は残る。店舗単位の数字を企業の廃業率として読まない

飲食店の入れ替わりの速さは、店舗リストを持つ企業にとってはデータの鮮度の問題です。

STREAMでは業種や地域を指定した飲食店のリストを無料でダウンロードでき、自社データとの突合にも使えます。

最新の飲食店リストの入手を検討中の方へ

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この記事を書いた人

SALES KNOCK編集部は、光通信グループの営業リスト戦略部門を担う株式会社STREAMの編集チームです。グループ各社の営業現場で培った営業リスト作成・名寄せ・データクリーニング・リスト戦略BPOの知見をもとに、営業リストの作り方からデータ整備、テレアポ・新規開拓の進め方まで、現場で使える情報を発信しています。記事は編集部が執筆し、数値や制度は公開時点の一次情報を確認しています。

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